“Lil”の始まり

アメリカにとどまらず、最近日本でもたくさんの“Lil"とつくラッパーが見受けられます。

この、Lilという言葉は本来“Little"を意味し、名前に着くと「Jr.」や「幼い」などの意味で使われ、大人が幼い子供を呼ぶ時に“Lil (名前)”とつけるのが一般的です。

日本でいうと「〜ちゃん」というところですかね


Hiphop史で一番最初にLilを付けたのがFunky 4 + 1という1977年にデビューしたブロンクス出身のラップユニットのメンバーの1人、Lill Rodney Ceeだと言われています。80年代のHiphopシーンではまだ“Lil”は珍しく、あまり流行っていませんでした。


しかし90年代になるとLilが徐々に増え

Lil Mac (1990)ーLA出身、”The Lyrical Midget”でデビュー

Lil Dap(1992)ーNY出身、Gang Starrのアルバム”Daily Operation"にてデビュー

Lil Fame(1993)ーNYのM.O.Pのメンバー

Lil Cease & Lil Kim (1996)ーNYのJunior M.A.F.I.A.のメンバーで”No Time”が当時のチャートTop40に入り、“Lil"が全米で認知され始める。

Lil Wayne(1999)ーLA出身、Cash Moneyレコード所属、グラミーも複数回受賞しLilの認知度をさらに押し上げた。彼が登場する前の1998年まで、Lilとつくラッパーは約20人でしたが、彼の2005年前後の活躍によりLilラッパーは急激に増え始め、現在Geniousに記録されているだけでも600人ほどのLilラッパーがいて、細かいところまで数えると全体で約8000人ものLilラッパーがいるともいわれています。


2005年から、

Lil Troy (”Wanna Be a Baller")、Lil BowWow (”Bounce with Me")、Lil Jon、Lil Boogie、Lil Romeoらがあらわれ


2010年から、

Lil Yachty、Lil Baby, Lil Peep、Lil Dicky、Lil Uzi Vertなど現在もチャートを騒がせているLilラッパーが活躍し始め、

今年、

Lil Baby、Lil Mosey、Lil Skiesなどがまた新しくシーンを牽引しています、


このように初期のLilラッパーをみてみると、最初でこそLAのLilラッパーが注目を浴びましたが、そこからLil WayneのヒットまではNYのラッパーが現在のLilラッパーの増加に影響しているようにみえますね。また”Young"とつくラッパーも意味的には”Lil"と同じなので仮にYoungとLilラッパーをひとくくりに考えると、同じ意図を持ってつけられたMCネームはめちゃくちゃ多いことに気づきます。

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余談

ちなみに、一番再生されているLilラッパーはLil Wayne、次がLil Uzi Vert。

ちなみに、Lil Yachtyは高校の時に所属していた「ヨットクラブ」と名乗る友達同士のグループの中で自分が一番幼かった。彼がラップを始めるにあたって、そのグループにリスペクトを送るという意味を込めてに”Lil Yachty”と名乗った。

そして、Lil Uzi Vertは2010年あたりに”Vert"という名前でラップ活動を始めた。するとある日「君のラップは早いね、まるでちょっとしたマシンガンのようだ」と評価を受け、サブマシンガンである”Uzi"という名前とLittleを足して『Lil Uzi Vert』と名前を変えた。VertはVertical(垂直)の意味の略で”まっすぐ上を目指す”という意味が込められている。



参照:

US HIPHOP station

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